ようこそ片隅へ・・・ ここは、文学の周縁と周辺を徘徊する場所。読書の記録と、文芸同人誌の編集雑記など。

2011年5月19日

28号、もうじき完成と、「木曜日」27号同人誌評

昨日、印刷屋さんから校正原稿が届いたのだが、しっかり、チェックポイントもご指摘くださった。

またしても、フォントの不具合で、PDF化しながらも、埋め込みができていないフォントがあったのだ。仕方ないので、フォントを変更した。

また、巻頭言の漢詩のルビの位置が気に入らなかったので、こちらも作りなおした。
漢詩は漢字に問題があるから、これもまたフォントの不具合が生じやすく、そのためIllustratorで作りフォントをアウトライン化したうえでPDFにしている。なので、ルビを直したといっても、一度アウトラインにしているため、打ち直しで、少々手間がかかった。

仕事で使っている印刷屋さんは、安いけど、原稿に目をとおすなんてことは一切してくれない。その点、「木曜日」の印刷を請けてくれているところは、あの金額で、チェックしたゲラをデータではなく紙で送ってくれるのだから、ありがたい。
データではわからないのだ。埋め込みできなかったフォントだって、職場のPCでも見られていたから、てっきり大丈夫だと思い込んでいたのだから・・・。

さて、それから、「木曜日」の27号の同人誌評が、ようやく現れたらしい。
まだ現物を見ていないのだが、メッセージにてお知らせくださった方がある。それだけではない。当該部分を転記してくださったのだ。感謝深謝。
というわけで、下にコピペ。


樹林』vol.556
小説同人誌評36
小林国広氏筆

十河順一郎「カプセル・タウンからの脱出」(『木曜日』第27号) 

 地上五百メートルにある空中都市のカプセル・タウンに兄のジューイと弟のユーニが住んでいて、魁偉な兄はペットの類をネットで販売し、親も違って美男の弟の方は小説家である。ユーニが契約婚をしているルチファーとの情交を楽しんでいたのに、ジューイは横盗りして淫欲に耽り、彼女を薬で眠らせ独り占めしようとし、彼女を探しにきた相方まで殺してしまう。憤ったユーニは兄に刺客を放つが、逆に撃退され、兄弟の縁は切れた。折しも母は肝臓癌に罹ったからと姉に財産を相続させると言い渡した。ジューイは母を救うべく臓器移植させようとあれこれ画策し、母とルチファーとロボットとともに飛行車で太平洋上の島国へ向け……。 
 SF小説といえども現代性を問いたくなるので、人間廃棄とか血縁崩壊などの話を深めるならと期待をもたせたのであるが、エンタメ系としてそれなりに楽しめた。

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